PTA活動を通して、子どもの成長を見届ける

北海道当別町

いしはら のぶとし

石原 信登志

当別町役場で環境生活課、福祉課、企画課、北海道市町村課(派遣)、財政課、社会教育課、再生可能エネルギー政策担当など様々な業務を経験後、 現在は企画部企画課長として在籍。 業務の傍ら3児の父親として、PTA役員を計6年間務め上げ、部活動の時間外練習場所確保など、子どもの成長を見届ける。

一どんな活動をされていますか?

私は3人の子どもの親としてPTA役員を務めており、小学校と中学校を合わせて、今年で6年目になります。主なPTAの活動内容は、図書の整理や補修、低学年の子供たちへの朗読会、登下校の見守り、トイレ清掃のお手伝い、グラウンドの雪山造設やバザーなどのイベント開催や協力などになります。

一今やっていることについての課題はなんですか?

PTAの成り手が年々減少していることが、一つ課題として挙げれられます。
コロナの影響で活動ができなかった、伝えられなかったこともありますが、子どもの数が年々減っているため、保護者の人数も少なくなり、新1年生も少ないため、同じ人が継続して続けることが慣習化しています。 そのため、今までの取り組みを継続することが手一杯で、新しい活動に取り組むことが難しくなっています。

あと、直接「PTA活動」とは話がそれますが、もう一つの課題として、部活動への取り組みについても課題があると感じています。
課題点として
①部活動の経験のない先生(顧問)が教えていることで、先生自身の負担になっている
②先生によって、大きく指導方針・内容が変わる
事が挙げられます。

私の子どもが運動系の部活に配属しているのですが、未経験の先生⇒経験のある先生⇒(現在)地区選抜の指導経験がある先生と、1年ごとに交代がありました。

①未経験の先生は、どのように指導すれば良いのか苦労していたようで、全国的にも問題になっていますが、部活動における先生の負担については改めて考えていく必要があると感じています。
②経験者の指導により、部として技術が著しく伸びたことはよかったと思いますが、1年ごとに指導方針・内容が変わったことは、人事とはいえ、部員はそれなりに苦労したと思います。

また、指導経験がある先生の場合、練習試合も多くしていただき、親の送迎も増えるため、できる・できないで、結局送迎する人が固定化されてしまうことや公共交通機関の交通費などの負担も課題となっています。

一課題を乗り越えたらどんな可能性がありますか?/ITを使ってできそうなことはなんですか?

PTA活動は大変なイメージがありますが、メリットのほうが多いです。それは学校に行き、子どもの成長を近くで見られるということです。普段見られない学校での様子を垣間見ることができます。

また、親同士のコミュニケーション場としても活用できます。子どもの困りごとや相談であったり、他愛ない話もふくめ、普段から話せる友人として交流を深めることができると思います。

部活動でもITが活用できると考えています。他自治体で、部活動でデジタル技術を活用した事例があるのですが、その部活動に特化した専門家がテレビカメラなどの映像を通して、子ども達に遠隔から指導してもらうことが可能ですし、オンライン上で指導することでどこにいても同じ指導を受けられるというメリットがあると思います。ただし、外部の人と顧問の先生がコミュニケーションを取らないと指導の食い違えが生じるデメリットもあると考えています。

一今後の目標はなんですか?

PTAの成り手を増やしていくために、まずはPTA活動について保護者の理解を促進していきたいと考えています。子どもの学校での生活を近くで見ることは親として嬉しいことだと思いますし、学校の様子もわかるし、先生や保護者方々、それと他の子ども(児童・生徒)ともコミュニケーションをとれるという事は、何よりのメリットだと思います。

町全体を通して言いますと、当別町では新築住宅の購入に対する住宅支援制度を設けていますが、例えば子育て支援の一環として、当別町から近隣都市の高校等へ通学する子どもへの交通費負担や、近隣都市勤務の通勤者に対して、インセンティブを設けることで当別町に住むことを選んでいただける人が増加するのではないかと考えています。

編集後記

保護者としての視点から貴重な意見を聞くことができ、子供の成長に積極的に関わる情熱を感じました。当別町に住む人々を増やすためのアイデアを持っており、当別町に対する思いも感じ取ることができました。率直に話していただけたことで、よりリアルな思いを感じ取ることができたと思います。

-コーディネーター紹介-

ID 北海道当別町

みやまえ ひろくに

宮前 宏州

神奈川県出身
2018年にAkkodis(旧VSN)へ入社し、システムエンジニアとして組み込み系の車開発業務に従事。
2023年からデータサイエンス分野に転向し、DX化への興味や仕事の視野を広げるため、地方創生活動へ参加。