先生とお母さんをつなぐ架け橋に─地域に広げる支え合いの輪

岡山県津山市

やまもと まりこ

山本 真理子

岡山県津山市出身 1歳のころから津山市に住んでおり、高校卒業後、津山市内の保育園に保育士として就職。その後同じく市内の幼稚園の教員も経験される。 ご出産時の病院で知り合ったお母さんの誘いがきっかけで児童館に通うようになり、以来子育てクラブの代表と親子クラブの代表をしながら、2人のお子さんの子育てを両立されている。

一どんな活動をされていますか?

津山市に児童館があって、その中に子育てクラブ※¹というのがあるんですけど、今年度から代表をしています。代表になったのは、ずっと児童館に遊びに来ていて、先生ともいろんな話をさせていただくようになり、仲良くなったことがきっかけです。
気がつけば職員室の前でずっとしゃべってるくらいに仲良くなって、先生から代表の打診があった時に、これだけ先生と話をしているから、お母さんたちの思いを先生に伝えやすいし、先生たちの思いもお母さんたちに伝えるパイプの役割をできるかなと思って、「私にできることがあるなら何でもします」ということで引き受けた感じです。

また、地域ごとで8つくらいの親子クラブ※²があって、実はそのうち1つの親子クラブの代表もしているんです。そのクラブは親が主体的に活動していくクラブなので先生がいません。年間行事計画を決めて、講師の先生が来られるなら講師の先生に依頼をしたり、何か必要なものを買うとかを全部自分達でやる親子クラブなんです。
その親子クラブは5年前に友達に誘われたのがきっかけで、上の子と参加して下の子が生まれてからもずっと在籍していますね。

出産するまで保育園と幼稚園で働いていたので先生の気持ちもわかるし、親になったので、親の気持ちもわかるし。私はイベントとか遊ぶのが好きで、子どもと一緒に楽しみたいという気持ちが元々あるので、忙しい中ですけど、そういうことが活動のモチベーションになっていますね。

※¹保育士資格や教員免許を保有している職員が遊びの指導や子育て相談を行っているクラブ
※²就園前の乳幼児とその保護者を対象とした保護者主体の自主的なクラブ

一今やっていることについての課題はなんですか?

子育てクラブの代表として活動をする中で主体的に活動する方が少ないように感じています。そういう温度差が保護者の中であるなというのは先生方と話していますね。「お手伝いができる方はお願いします」と声をかけるんですけど、やっぱり強制的にするものではないので、主体的に活動をしてもらいたいという思いをやんわりと伝えることはたまにありますね。
私は一緒に準備して、一緒に片付けもするっていうのが楽しいと思うんですけど、そうじゃない方もおられるんだなっていうのは感じましたね。

また、クラブの参加人数でいうと、理想は9~10組くらい参加者がいると活動の幅は広がると思いますね。上の子が入った時は2~3組くらいしかいなくて、風邪とかで休みってなると、予定していた行事も延期して、今日は違う行事にしようかってことも多かったので。

一方で、児童館の話になるんですけど、「幼稚園が終わった後に行ってもいいの?」っていう人もいて、存在自体は知っているけど、どういう年齢が行ったらいいのか、いつでも行っていいのか、決まった日しかだめなのかとかを聞かれるので、もっと児童館や親子クラブを知ってもらいたいなとも思います。

一課題を乗り越えたらどんな可能性がありますか?/ITを使ってできそうなことはなんですか?

何でもやってもらって当たり前じゃなくて、子どもと一緒に楽しむためにはこういう準備も必要だよ、片付けも一緒にしないといけないよっていうのは伝わったらいいなと思いますね。
大きな話になるんですけど、子どもは親の背中を見て育つと思うんです。親が楽しんでれば子どもも楽しい時間を過ごせるんじゃないでしょうか。働いていた時にずっと思っていたんですけど、準備も含めて楽しいんだよっていうのを本当はお母さんたちに知ってもらいたいですね。

クラブの認知度については、今の時代、SNSが主流になってきているので、児童館のイベントや、こういうクラブがあってこういう活動をしていますよっていう紹介をSNSで発信したら、クラブへの参加率も変わってくるのかなと思います。正直ホームページを調べるより、SNSにホームページが載っていて、そこから行くって方も多いと思うんですよね。私もですけど、ちょっと調べようとしてもInstagramを開いちゃったりするので(笑)。
津山の他のイベントはSNSに載っていたりするので、児童館もこういう活動があります、イベントがありますっていうのを、SNSに載せたらまた見てくださる方が増えていくんじゃないかなと思いますね。

他にも津山市で子育てのイベントがあるときは、津山市が管理しているメールに登録すれば市内の子育てのイベントの配信がされるんですけど、それもこういうメールがあるっていうのを紙・チラシで置いているだけなので、違う形で発信できればいいのかなと思いますね。

一今後の目標はなんですか?

参加人数が増えたら、もっと多くのイベントを企画してみたいです。 津山市には色々な芸達者な先生がたくさんおられるので、そういう方を呼んで、子どもと一緒に楽しみたいなと思いますね。例えば、バルーンショーや人形劇とか、ちょっと自分じゃ頑張ってもできないことは、人数が増えればそういう団体の方を呼びたいなっていうのはありますね。

今度、親子クラブの方で消防署見学に行くんですけど、参加人数が4人とかだとすごく寂しいので、子育てクラブにくっ付けてもらって、親子クラブと子育てクラブ同士でつながりを作れたらいいなと思います。
地域に親子クラブがあることを知ってほしいし、うちのクラブに入らなくても、市内の他の親子クラブに入ってくる人が出てくるかもしれない。親子クラブしか入っていないお母さんに、「児童館もあるよ」っていうことも伝えていけたらいいなと思いますね。

編集後記

筆者自身学童保育の指導員をしていたこともあり、山本様のお話の一つ一つが、「本当にそうなんですよね」と共感できるお話ばかりでした。
また、山本様がきっかけで児童館や親子クラブの存在を知った方もいらっしゃるようで、そういったつながりを少しでも増やしていくことが、正解のない子育てを地域全体で支え合うことができるのではないかと思いました。

-コーディネーター紹介-

ID 岡山県津山市

わだ みつお

和田 光夫

岡山県浅口市出身
大学在学時に中学校社会科・高校公民科の教員免許を取得。その後新卒1年目で学童保育の指導員として従事するが、会社員として社会のことをもっと学びたいと考え、前職の IT 会社にシステムエンジニアとして入社。
運用保守などの経験を経たのち、AKKODiSコンサルティング株式会社(旧Modis株式会社)に入社。現在は、Microsoft Azureを活用したシステム基盤構築に従事している。
趣味は野球とオンラインゲーム。