学びの場を提供して、洲本の人たちにいろいろ知って欲しい

兵庫県洲本市

さだおか かなか

定岡 加祥

兵庫県洲本市出身。生まれも育ちも洲本市、市役所へ勤務時代は生活環境課でマイバック忘れた人のために、市のごみ袋と同様に捨てられるデザインとする企画などを行っていた。縁あって現在はシマトワークスさんで勤務されている。

一洲本市について教えてください

私は洲本市生まれで、ずっと洲本住まいなのですが周囲が海に囲まれていて山にも登れる。洲本城跡は駐車場から5分くらいでいけるのですが歩いているとみんな挨拶するような町ですね。ちょっとしゃべるとあそこの子、とわかるような。距離感の近さは感じています。

街中で顔見知りの人に会ってまた同じ人と別の場所で会うということが都市部では少ないと思いますが、洲本市では普通にありますね。スーパーで買い物中に会って、その後図書館に行ったらまた会うというような感じで。

人口は4万人前後ですが、現在は毎年500人ずつ位減ってきています。淡路島に3市あるうち、最近淡路市は仕事で移住してくる人が増えているが、他の2市は減少傾向ですね。洲本市には仕事が少ないので、進学、就職を機会に島外に出てしまっています。

一洲本市の抱える課題等についてどのようなものがあるとお考えですか?

子供の数が減ってきていて、特に保育園の減り方が一時期すごかったですね。今は大分落ち着いてきていますが。全クラスで10何人となっていてそこに先生の不足も問題となっています。

中高生の部活動についても現在は人数が減ってしまっていて、部活動が減っているのも問題だと思っています。少人数でできる陸上やテニス等が主流になってきていて、野球や、サッカー、バスケット等の人数が必要な部活動の場合は掛け持ちとなっています。大人の活動は淡路島の中に結構あって、出来るところも身近にある。都市部の人に話を聞くとどこでやったら良いか、誰に聞いたら良いかがそもそも分からないと聞いていますが、洲本市は誰かに聞けば大体答えが返ってきます。そういう取り組みで地域の人たちの交流ができるのですが、今の中高生が将来そういう取り組みが出来なくなってしまうことを懸念しています。大人になってから新しいことを始めるのは中々難しいと思っていますので。

そういう意味でも、市は施策として大学生との交流を大事にしているが、地元の高校生も大事にしてほしいと感じています。

移動手段についても、車が無くなったら不便になると感じています。病院等に通うなら近くに住むか、タクシーを使うくらいしか選択肢が無いです。バスは高校生か市を超えて移動する人で移動手段が無い人が使っていますが、その他の人たちはあまり使っていません。最近は移動手段が無くて、病院に通う必要が出た人達は、島を出てご自分の子供さんの近くに移り住む人も増えてきています。

その他にも働く場所の問題もあります。大学卒業後に洲本市に戻ってきたくても、せっかく学んだことを活かせない、働く場所が無いという問題も感じています。淡路島内で働こうとすると、接客、介護が主な仕事になってしまう。職業の選択肢を増やして行く必要があると思っています。

一今後実施したいことなどありますか?

元々、部活動のようなことをやりたいという思いがありました。考えていたのは保育士として働いていた方がいるので、その方には保育の勉強ではなく、保育士を守るためにはどういう勉強をした方が良いなどの勉強会を実施したいという話をしていました。他には福祉系等についても。

IT系についてシステムエンジニアさん等に話を聞いたりできたら良いと考えていますし、モノづくり系では、高校卒業したらそのまま自動車メーカーに就職する人も一定数いるので、そういう人たちに向けて何か出来たら良いなと思っています。モノづくり系で実際に働いている人たちの話を聞いているのと聞いていないのではまた違うと思いますし。一般的な知識は調べれば良いと思いますが、実際働いている人の体験や経験などを共有していけるといいかなと思っています。

ちなみに前回AKKODiSさんで実施したデジタル体験会での経験を活かしてここの施設の申し込みをコード組んで、自動でメール返信をする仕組みをスタッフが作りました。高校生で体験した2人は、ここでの体験を活かしてサイト制作を実施し、その内容を学校で発表したそうです。

一その他にも実施したいこと等ございますか?

オンラインのスタンプラリーの様なものも実施したいと思っています。スタンプラリーとまではいかなくても、例えば写真を撮ってもらってそれらを貯めるサイト等を作成出来たら良いと考えています。インスタグラム等だと鍵をかけてある場合が多く、その場合閲覧制限が掛かってしまうので、なるべくオープンなサイトが出来れば良いかと考えています。

以前は、洲本市にある八狸の像8体の近くで謎解きクエストを行う等を市の主催でやっていました。狸の像を巡って、クイズに答えて最終応募用紙を提出する方式でした。それらをオンラインで実施出来たら面白いのかなと考えています。
保育士さんでパソコンが触れなくて困っている人も一定数いて、ホームページへ写真をアップ出来ないといったことで困っている人たちもいました。そういう人たちに向けても何か協力が出来たら良いなと思っています。

今後は地域活性化企業人の方とも協力して、デジタルスキル体験会を定期的に開催出来たらさらに良いと思っています。

編集後記

洲本市にあるシマトワークスさんは淡路島を中心に「わくわくする気持ち」を大切に活動する企業さんです。そのシマトワークスさんで働く定岡さんは、自らも新しい事を積極的に始められる人だと感じました。洲本市のみならず淡路島全体が抱える問題などにも広く知見をもっていて、多くの人たちの意見にも耳を傾けていける人だと感じました。
そんな中でも自分に出来ることを、どのように実行していくかまでしっかりと考えて、地域の人たちのみならず多くの人を巻き込んで企画を進めていけるのも素晴らしいと感じました。
そんな定岡さんのお話を聞いて、様々な課題に対して私たちには何が出来るのかを改めて考える機会を与えてもらったと思いました。

-コーディネーター紹介-

ID 兵庫県洲本市

こばやし かずひで

小林 和英

東京都福生市出身。メカトロニクス設計者としてノートパソコン、デジタルカメラ、携帯電話、スマートフォン等の設計業務に従事する。キャリアの幅を広げるためAKKODiS(旧VSN)へ入社。自動車関の部品設計やプラント設計に従事する。自身の知見を広げるため地方創生活動、産学連携活動へ参画。