一どんな活動をされていますか?
町では、「花のまち東神楽町」として、花に関連したまちづくりに取り組んでいます。その核となる取り組みとして、町内の公共花壇に植える花を町で育てる活動をしていて、町営育苗センターという施設を設置しています。
その他、ソフト面での取り組みとしては、ボランティアの方々と一緒に、町内の植樹帯をきれいにする活動や、個人の庭を一般開放するオープンガーデンを行う活動、花まつりなど町のイベントにおいて、育苗センターで育てた花を還元販売、こども園や小学校での花育活動など、花のまちとして様々な啓蒙活動を行っています。
町営育苗センターでは、10名ほどの職員で育苗業務を行っていて、私は主にマネージメント業務を担当しており、運営及び計画立案を中心に行っています。今までも仕事で人と関わる機会はありましたが、この仕事に就いて、ボランティアの方などこれまでよりももっと近い距離で関われていると感じています。特に東神楽の小規模自治体だからこそ、“人”の声がダイレクトに伝わってくる感じがして、そこについて嬉しくやりがいを感じます。
一今やっていることについての課題はなんですか?
花の生育は気温や湿度等気象条件にとても左右されるので、同じ季節でも毎年同じやり方でうまくいくということがないので、育てることが大変です。
また、生き物が相手なので365日休みが無い事です。休みの日も仕事をしている事が他の業種に比べると多いので人のやり繰りも苦労しています。その他にも、ハウスの自動化等施設の機械化には多額な費用が掛かってしまうため、ほとんどの作業を人力に頼っていますが、年々人材確保が難しくなってきていて、毎年何とか回っているといった状況です。
私は土木技術者として長年勤務していたので、花についての専門的な知識が浅いことも課題に思っています。今まで花について学んだこともなかったので、文献を調べたり、パートの方に教えてもらったりして知識を増やすようにしています。職場に専門知識をもった職員がいないので、講演会や視察に行ったりもしてはいますが、私の判断ひとつで花を大量にダメにしてしまう可能性もあり重責を感じています。
一課題を乗り越えたらどんな可能性がありますか?/ITを使ってできそうなことはなんですか?
現在、育苗センターで働いている方は年配の方が多いのですが、会計業務が苦手な方が多いのでデジタル化することで業務が気軽に、楽にできると思います。しかし、多額の費用が掛かってしまうので現実的には難しいと思っています。
また、花のボランティアの募集や、イベントの告知は防災無線、HP、Facebookが主流になっています。現在、参加してくれている方々は、防災無線での参加が多いと思いますが、参加が少ない若い世代や子育て世代の方に興味をもってもらうには、インスタグラムなどのSNSを活用したほうがいいと思っています。
共働きの方々や子育て世代の方々は余力がないと花に興味を持ちにくいと思いますが、地道にイベントやワークショップの開催など興味関心をもっていただけるよう活動していきたいです。
一今後の目標はなんですか?
花の育成については、肌感覚でやっていったり経験を積んでいったりすることが必要にはなりますが、私と同じように知識のない人が担当になった時のために、マニュアル化ができたらいいなと思っています。
また、東神楽町は小規模自治体なのですが、その分繋がりも強いので、その強みを活かしながらもっと幅広く色々な人を活動に巻き込んでいきたいです。役場主体の活動では続かないので、町民の方々や地域起こし協力隊など色々な人達との協働を目指し、今までと同じ事をやり続けるだけでなく、たとえ僅かでも変化や新たな取り組みもチャレンジしていきたいです。
編集後記
町の取り組みとして”花のまち”を掲げている中で、東神楽町ならではの”花のまち”の在り方、コンセプトを形にしていくというような取り組みを町民の方を巻き込みながら推進されていらっしゃいました。まだ、花に関する専門知識が浅いと謙遜されていらっしゃいましたが、講演会や視察に行かれるなど、あつい熱意を持たれて活動されているのが印象的でした。また、扱っているものは”花”なのかもしれませんが”花”を通じて町民の方と触れ合ったり、”花”が人の幸せを作り出すといったところに歓びを感じられているようで、素敵なお仕事をされていると思いました。