海外にも阪南市の魅力を発信 ご当地萌えキャラ美海&さくらの育ての親

大阪府阪南市

たむら ただよし

田村 直義

Webページなどを製作するIT企業を経営しており、グッズの製作、販売から萌えキャラに様々な可能性を見出し、美海&さくらを着想。今では阪南市商工会の公認キャラクターとして、キャラクターグッズの製作と販売を通じて阪南市の魅力を内外にアピールしている。   SNS主にX(旧Twitter)を活用した情報発信や、他団体とのコラボイベントの企画など、広範囲なプロモーション活動も手掛けている。

一どんな活動をされていますか?

Webページの製作などを通じてIT企業を経営していますが、最近はグッズ制作の事業部を立ち上げ、取り組み始めたキャラクターグッズの製作販売がメインの事業になってきていますね。

きっかけは阪南市の近隣の市でゆるキャラのキーホルダーを製作する際に「小ロットでの生産はできない」と、よその会社に断られたということで、「うちならできますよ」と引き受けたところから始まりました。  

その後、南海フェリーと大阪府能勢町の萌えキャラのグッズ製作を引き受けたところ、売れ方が尋常ではなかった。これは面白い。というところからキャラクターグッズの製作販売に力を入れ始めました。その中の一つに阪南市商工会公認の萌えキャラ「美海&さくら」があります。

阪南市商工会の公認キャラクターとして、阪南市の魅力をPRするために阪南市ともタッグを組んで、「X(旧Twitter)」での情報発信や、イベントの企画運営、他市町の萌えキャラとのコラボイベントでスタンプラリーの開催、阪南市内の企業とのコラボ商品の企画など、美海&さくらをきっかけに阪南市のPRに貢献しています。

一今やっていることについての課題はなんですか?

美海&さくらのことでいうと、イベントを開催したときに訪れるのは他の地域の方々ばかりになっています。阪南市民の参加はほとんどなく、当初、スタンプラリーのイベント時には阪南市民の参加はゼロでした。ご当地キャラであるからこそ、もっと地域の住民から愛されてほしいと思っています。

また「萌えキャラ」に対して警戒感を持たれていると感じることがあります。特に年配の方や教育関係の方に「こんなキャラクターはよくない」という意識が感じられることがありました。そのため、初めの頃は不遇な扱いを受けたこともありましたが、現在では阪南市商工会の公認キャラクターとして、市民の方にも認知されはじめています。

企業とのコラボレーションで自販機に大きく美海&さくらのイラストを描いたり、阪南市や商工会などのいろいろなポスターに使われたりしていることから、活躍の幅が広がってきているのは見ていてわかってもらえると思います。

阪南市のアピールとして、公式なことにはどんどん活用していってもらって構わないのですが、過去には美海&さくらのイラストが版権など権利関係を意識せず勝手に使われることもあったので、そのあたりの認識は広めていかなければならないと思っています。

一課題を乗り越えたらどんな可能性がありますか?/ITを使ってできそうなことはなんですか?

ご当地キャラクターとして阪南市民に愛されたいです。
阪南市民それぞれが「阪南市には美海&さくらっていうご当地キャラクターがいるよ」という風に広めて盛り上げていってくれるようになれば、もっと阪南市内に美海&さくらの認知度が広がっていくと思います。

ITに関しては、そもそもIT、Web関係の会社を経営していて、これまでもホームページ制作などをやってきているので、ホームページの作成や画像の編集については、これまでの技術が相乗効果として大変に活かせていると感じています。

今後の展開について、X(旧Twitter)での発信はすでに取り組んでいるところですが、Instagramにはまだ手が出せていないので、先々着手していきたいと思っています。
最近は美海&さくらについての活動が中心になっており、自社のホームページの更新などは滞っているので、こちらも更新しないといけないなと思っています。

一今後の目標はなんですか?

萌えキャラという存在が世間一般にもっと広く浸透していければいいと思っています。目標というか直近なのですが、2025大阪・関西万博の阪南市パビリオンで大きくても小さくても構わないので、美海&さくらのイラストを飾ってあげてほしいと思っています。美海&さくらの露出は阪南市のPRにとっても効果的で、非常に重要だと感じています。

日本のポップカルチャーの発信とともに、万博を訪れる多くの方々に美海&さくらと阪南市の存在を広く認知してもらいたいと考えています。これによって、特に海外からの来訪者に対して阪南市がリベラルな市であることを国際的に大きくアピールするチャンスになると捉えています。また、美海&さくらの絵師(イラストレーター)をはじめ、関係する全ての人のモチベーションを上げることにもなり、様々な好循環が生まれていくと考えています。

編集後記

田村さんの美海&さくらを中心に展開してきた活動は、阪南市の魅力を広く伝える中で多くの成果をもたらしてきているようです。このインタビューでは、その活動の背景やこの先の展望について、とても貴重なお話を聞くことができまし た。
萌えキャラはしゃべることも性格を持たせることも可能なため、既存のゆるキャラにはない「ストーリー性」を与えられるという点で奥行きのある表現を可能にしており、阪南市のPR効果や今後の幅広い展開にも期待が持てます。
また、萌えキャラについて市場の広がりを感じられたことで、今後、田村さんのように萌えキャラの展開についてのノウハウを持った方が活躍することも多くなっていくと思われるため、阪南市のように身近に田村さんのような有識者がいらっしゃることがうらやましく思えました。

-コーディネーター紹介-

ID 大阪府阪南市

たかみ とものり

高見 知典

前職から地方公共団体との様々なプロジェクトを経験してきました。その経験を最大限に生かせる仕事として地方創生部に入り主に北海道の東神楽町の地域活性化起業人として庁内をはじめ地域のDX推進をはじめ様々なプロジェクトに邁進しています。