一どんな活動をされていますか?
老人クラブ連合会で役員をしています。主な仕事としては、事務局から連絡が来た際に老人クラブの役員や理事会のみんなで打ち合わせを行い、老人会の年間行事を決めたり、各地区の会長を集めて定例会を行います。今年は5月に総会、6月は研修や福祉館周りの清掃、7月に神社の清掃、8月は小学生と老人クラブの何名かで花を植えて、病院や小児施設に花咲か爺さんとしてお花を持っていったりもしました。
この2~3年はコロナの影響で行けていませんが、年2回の研修もあり、年間行事が割と多いのでけっこう忙しいですね。
全部で老人クラブが34クラブありますが、役員だけで会議をするときはみんなで集まって話し合っていました。ですが今はコロナ対策として集まる人数に制約があるので、校区別に3つに分けて時間を変えて実施するなど工夫しながら活動しています。
一今やっていることについての課題はなんですか?
(合田さん)
老人クラブのLINEグループを作成しているのでそこで事務連絡をするのですが、返事がなかなか返って来ません。既読も全員はつかないので見ていない人には電話で個別に連絡しています。都農町の住民は、デジタル化を推進するための施策として町から無償でタブレットを配布されているのですが、タブレットはどうしても利用出来る人と出来ない人がいると感じるので、高齢者に普及させて利用率を増やすために必要なことは、やっぱり簡単に操作ができて、1~2回の操作で目的を達成できるようにすることではないでしょうか。タブレットを利用することが習慣化される前に、操作が難しくて断念してしまう人が多いので“簡単さ“が大事だと考えています。
また、wi-fiを引いている家庭と引いていない家庭があるので使用量に差が出てしまうのも理由のひとつかもしれないですね。
そして老人クラブで一番困っている事は会員がなかなか集まらないことです。70代の特に農家の方は、まだまだ現役でお仕事をされていたり、他の方も家族の介護などをしていて時間が無いという理由で老人クラブに入ってもらうのが難しいというのが一番の悩みですね。
現状として老人クラブ役員さんの平均年齢が80歳以上とグッと上がっているんです。地区によって違いはありますが、ある年齢以上の人は在籍はしているものの実働はしておらず、会費をとっていないため旅行に連れて行けないという事もあります。どうしたら60代70代の人たちが会員になってくれるのか考えています。
一課題を乗り越えたらどんな可能性がありますか?/ITを使ってできそうなことはなんですか?
(合田さん)
グループLINEで事務局からの連絡事項を送っても返事が返ってこないことがたくさんあるので、返信やスタンプなど何かしら反応が貰えるようになると嬉しいですね。スマホよりタブレットの方が画面も大きく見やすいと思いますので、みんながタブレットでLINEを使えるようになったら連絡しやすくなっていいなと個人的に思っています。
また、老人クラブ会員を募集する手段としてもタブレットを活用できるのではないかと考えています。お知らせしたり募集したりを簡単にできる様なコンテンツがあると良いのかも知れないですね。
さらに現在行っている旅行支援などの国の政策も、実際にお店に行くと既に締め切られているといったこともありました。国や町の様々な政策をタブレットで簡単にパッと見られるようになれば、もっと便利になってより多くの人が使おうとするのではないでしょうか。
一今後の目標はなんですか?
(合田さん)
みんなからLINEで何かしら反応をしてもらえるようにすることと、タブレットを使って老人クラブの会員を募集し、老人クラブの会員になってもらう事です。
(吉村さん)
みんなの話を聞いていると、タブレットを使えるようになりたいと思ってきました。でもやっぱり面倒くさくなってしまうのか、なかなか使えるように練習することが出来ません。孫の動画を見るためにスマートフォンは使うのですが、タブレットは袋から出して充電を確認する必要があるので構えてしまいますね。まずは電源を入れるところから練習する必要があります。
(宇都宮さん)
私は友だちと歌を歌うのがとても好きなんです。お茶やお菓子を食べつつ、タブレットで曲を検索して表示しながらみんなでカラオケ大会のようなことが出来るようになったら楽しいかもしれないですね。
編集後記
老人クラブ連合会の3名の方にお話を伺いました。デジタルに対しては三者三様の考えをお持ちで、どの意見にも共感できることがありました。特に印象的だったのは、「タブレットは町からの借り物でいつか返さないといけないからこそあまり使いたくない」とお話ししてくださったことです。これは私にとっても非常に大きな気付きとなりました。
積極的にタブレットを活用したいと考えている方、使えるようにはなりたいけどなかなか足が進まない方、スマートフォンで十分だという方、それぞれに合わせたフォローを行い、タブレットで何が出来るかを提示したあとで自分に最適なデジタル機器を選択するというのは、デジタルを前向きに利用するはじめの一歩として非常に重要なことかもしれないと私自身が学ばせてもらう時間となりました。