ワクワクが原動力。都農町にUターンした若き起業家

宮崎県都農町

ふたがわ なおや

二川 尚哉

高校卒業まで地元都農町で過ごした後、大学進学を機に上京。 新卒で地元の銀行に就職するも1年で退職し、再び上京。千葉県にて現在のビジネスパートナーである日下部さんと起業準備を行った後、都農町にUターンし動画制作・スマートフォン修理事業で起業する。

一どんな活動をされていますか?

MixBombCraftingの代表として友人と2人で動画制作/スマートフォン修理事業を行っています。動画についてはカメラを使用するような実写は勿論のこと、特に自分はイラストを動かすアニメーションの制作がメインでして、こちらは働く場所を選ばない事業なので現在都農町以外からも依頼をいただいています。

起業について、もともと学生時代からやってみたいという思いがありました。きっかけはアルバイト先の個性的な社長との出会いで、「こうやったら喜ぶ人が多いのでは」と考えることが徐々に増え、そこから「これが身の回りにあったら楽しいのではないか?需要があるのではないか」とよく考えるようになりました。考える土壌としてよく頭に浮かんでいたのが地元の都農町だったって感じですね。

起業する場所として都農町を選んだ理由は、町をよりよくしようと頑張っている人が目に見えていたことのほか、都会での生活も刺激的で個人的には面白かったですが、それ以上に自分たちで仕事を作り出して行くスタイルというものにとても惹かれまして。少しずつであっても地元で成長していく姿の方がなんか楽しそうだなって思い都農町で起業しました。

田舎は都会よりも自由度の高いサービス提供が求められるのかなと思っています。一つのパズルで済むことは基本無いのかなと。要望に合わせてこれまでにない形のピースを作り出すことが我々が田舎で仕事する上で大切にしているポリシーですね。話し合いながら相手の喜ぶ形で仕事が出来ると楽しいんですよね。

一今やっていることについての課題はなんですか?

現在は自宅で仕事を行っており、出来ればお客様にサラッと寄ってもらえるオフィスが欲しいなって。ネットでの集客となると、やはり田舎ですから。お店があった方が人が認知してくれると思うのでまだ現状動けてはないですが、いつか考えなきゃなとは思ってますね。おそらくスマートフォンを壊れたまま使用している人もいるのではないかと……。

またスマートフォンの修理を依頼され料金を提示した際、お客さんが価格相場をご存じないケースが多く、起業するまではレッドオーシャンよりブルーオーシャンの方がいいに決まっていると思い込んでいましたが、今まで町にスマートフォンの修理を行う人がおらず、ブルーオーシャン過ぎるがために苦戦するとは思っていませんでしたね。口コミが圧倒的に強い町なので、徐々に口コミで高齢者の方から、「二川さんは安心できる人」、「頼れる人」と言われるようになりたいですね。

一課題を乗り越えたらどんな可能性がありますか?/ITを使ってできそうなことはなんですか?

今後オフィスを構えることに関して、まだ計画も無いので分かりませんが、修理依頼をしやすい環境づくりをすることで、これまで修理依頼ができていなかった方にも依頼をいただきたいです。そこで個別性の高いニーズにも応えていくことで、どんどん口コミの輪を広げて集客につなげていきたいですね。

またITを使ってということでいえば、都農町にある尾鈴山をテレワークで仕事ができる人たちで管理するキャンプ場にしたい、と思っています。そうすれば新たに管理人を雇う必要もありませんし。私はサウナが大好きなので、そこで仕事をしつつ、お客さんが来るまではサウナに入っているという過ごし方ができたらななんて、理想です(笑)

また町のPRとしては広報動画も引き続き受託していきたいですね。広告だけが動画の可能性ではないので。いろんな動画の使い方があるんだよと地域にアピールすることにも力を入れてこの町の使いやすさがどんどん良くなっていくことに貢献出来れば嬉しいと思います。

一今後の目標はなんですか?

自分の事業、動画に関しては可能性をもっと知ってもらうこと。ただの広告という意味合いの動画は外部へのアピールには出来ますが、僕は内部の人、町民の皆さんがもっとこの町を使いやすくなるようなそんな動画を作りたいと思っています。例えば、人手の少ない町では新入職員さんの教育に時間をなかなか時間を取れなかったり、辞めてしまった時に1からまた教育を始める。そこで動画マニュアルとして属人性の高いものをマニュアル化していくようなものも時短や町のためになるのかななんて最近は思ってます。

スマートフォン修理に関してはもっと気軽に依頼できる環境づくりですね。店舗にこだわっているわけではありませんが、使いやすいサービスを求めるとやはり自分の活動場所ですと言えるところがあるのとないのでは差が開くと思いますので。今後の課題としては場所の解決ですかね。

あとは起業してくれるような人が増えてくると、個人的にライバル意識も燃やしつつ励んでいけると共に、一顧客としてサービスを楽しめるのでとてもうれしいです。

編集後記

「やってみたいと思ったから」、「こっちの方がワクワクできるから」。
これらのワードが、インタビュー中多く出ていることが強く印象に残っています。その言葉通り、とても好奇心が強く、そしてそれに負けないくらい行動力をお持ちの方です。思い描いたことを実現するためには、自ら動いてみること。それが何より大切なのだと改めて実感しました。
また二川さんのお話しを伺う中で、終始気さくに、時には熱く回答いただき、二川さんと一緒に取り組むことで私たちもきっとワクワク出来そう、と魅了させられてしまうような素敵なインタビュー体験をさせていただきました。

-コーディネーター紹介-

ID 宮崎県都農町

かとう そういち

加藤 壮一

2021年6月にアデコ株式会社へ中途入社。主に社内向け人材育成を担う。
地方創生VIは2022年4月から参画。
人見知りにも関わらず研修講師に挑戦したり、高所恐怖症にも関わらずスカイダイビングに挑戦したりと好奇心旺盛な性格。
現在は落語に挑戦中。半年後の発表会やいかに。