面白いことを「全方位」に。高校生のわくわくは止まらない

栃木県矢板市

おおやま なるみ

大山 成美

隣町から矢板市内の進学校に通う高校生。高校の部活の先輩の紹介でYADと出会う。 どんどんイベントを企画していくYADの活動に驚きを感じながらも、イベントを企画していく事の楽しさを知る事になる。 持ち前の明るい性格と、スポーツで培った行動力、そして、相手の話をしっかり聞き入れる事の出来るコミュニケーション能力で、YADの第7期代表としてメンバーをまとめ上げ、高校生ながらに矢板市内で気球を飛ばすイベントも実施した。

一どんな活動をされていますか?

矢板市で活動している、ボランティア団体『YAITA ALL DIRECTIONS』(ヤイタ オール ディレクションズ=YAD)の第7期代表を務めています。YADは市内の高校に在学・もしくは市に在住している高校生で組織されたボランティア団体で、現在は21名のメンバーが在籍しています。

一般的な高校生のボランティア団体と聞くと、「地域のごみ拾い」や「駅前での募金」などの活動をイメージすると思います。 しかし YAD は、そこから少し発展し【地域の人とのイベント】を積極的に実施していく団体になっており、年間を通じてイベントの企画・運営や広報物の作成など様々な活動をしています。

ここ数年では、市内のシェアキッチンを利用して『高校生カフェ』をオープンしたり、地域のおススメのお店を地図にまとめる『まちあるきマップ』を作成したりしています。先日は、市内の公園で大きな気球を飛ばすイベントを企画して、多くの子どもたちに楽しんでもらう事が出来ました。

一今やっていることについての課題はなんですか?

自分たちだけでは出来なくて大人に頼っている部分があります。それはお金、企業とのやりとり・・・ect.です。

気球を飛ばしたイベントを通じて思った事は、大きなイベントを実施するには、「高校生だけじゃ出来ないな」ということです。お金がかかったり、業者さんなど色んな人を呼ばなきゃいけなかったり、イベントを行う場所を用意するのは私たちだけでは難しく、その影響で、諦めてた部分が結構ありました。

次回行うイベントでも、「矢板で育った木を利用したイベントがしたい」と思っていましたが、お金の面や業者さんとの都合で上手くいっていない部分が出てきています。それでも、【矢板の魅力を伝えるために、矢板に関わった大きなイベント】を自分たちで考えられたらいいなって思っています。こういった課題については、地域にいる大人の人の力を借りて一緒に進めて行ければと思っています。

一課題を乗り越えたらどんな可能性がありますか?/ITを使ってできそうなことはなんですか?

イベントを通した人との関わり合いを凄く大事にしています。私は、イベントの企画を考えるのは苦手ですが、色んな人から意見を聞き出すことが得意だと思っています。

大きなイベントを実施すると、それに関わってくれる人や参加してくれる人の数も多くなると思います。その中で、新しい人との関わりが出来ればと思います。きっと知らない人同士がつながった後に、面白い事が起きると思います。YAITA ALL DIRECTIONSの”DIRECTIONS”に込められた思いにも繋がりますが、こういったイベントをきっかけとして、沢山の人が繋がることで、次はもっと楽しい事が起きると思います。

私自身も高校に入るまでは、矢板には来ることが無く、知らない地域でしたし、YADの存在も知りませんでした。そういう意味でも、“人との出会いって大切だな”と感じています。

一今後の目標はなんですか?

今までは、小学生以下の子どもや親子をターゲットにしたイベントを企画していましたが、今後は、全年齢を対象にしたイベントを実施してみたいと思っています。福祉施設や老人ホームなどの高齢者を対象にしたイベントや、社会人を対象にしたイベントを企画してみたいです。

私自身が人と関わるのが好きで、子どもも好きなんですが、大人の人と関わるのも好きなんです。だから、参加者が限定されちゃうのは、「すごく勿体ないな」と思っているんです。せっかくイベント企画ができる団体にいるのだから、色んな人と関われるイベントを実施したいです。

もう一つ、これもまだ私の中でのアイディアなのですが、廃校になった学校を使って、県内の同じようなボランティア団体をいっぱい集めて、1つの文化祭を開催出来たら面白いんじゃないかなって思っています。

YADは高校生の団体なので、私が代表として活動できる時間には限りがあります。TAKIBI(矢板市のコミュニケーションスペース)に集まってくる大人の人たちを巻き込んで、多くの人が楽しめるイベントを企画したいです!

編集後記

大山さんは、子ども・大人・高齢者など、年齢の垣根を取り払って接することの出来る人だと感じました。
二回り近く年の離れた私に対しても、自然な雰囲気の中で対等な会話が進んでいたため、高校生の大山さんと話しているのですが、同年代の友人と話しているかの様な気持ちを味わいました。
これは彼女自身が、分け隔てなく多くの人と”関わりたい”、”コミュニケーションを取りたい”と言う思いから、相手の気持ちを開かせているのではないかと思います。
そんな彼女の大切な青春時代を捧げているYADの活動に対して、“大人としての立場”では無く、”1人の人間”として応援したくなりました!一緒に『(子どもから高齢者までの)みんなでつくる文化祭』を実施しましょう☆

-コーディネーター紹介-

ID 栃木県矢板市

おおたに あきひろ

大谷 聡宏

2010年4月に株式会社VSN(現:Modis株式会社)に新卒入社。メカトロニクスエンジニアとして、主に自動車用部品の開発業務に従事している。
2018年4月より、F1向けエンジンの設計業務に従事する為、矢板市に移住。世界一のエンジンを設計したエンジニアの1人として開発業務を続けつつ、自身の住んでいる矢板市を盛り上げたいという気持ちで本活動に参画。