「町の日常の一部に」矢祭町の新しい特産物となることを目指す

福島県矢祭町

させ かずひろ

佐瀬 和宏

千葉県東金市出身。以前より農業に関心を持ち、地域おこし協力隊 として移住後、果樹農家を目指す。紹介してもらった方がぶどうを生産しており、ぶどう栽培について学ぶ。その後、独立して「はるかぜぶどう農園」を起ち上げぶどう農家として就農し、現在に至る。

一どんな活動をされていますか?

3年前より、はるかぜぶどう農園 を起ち上げてぶどう農家として就農しています。私の生まれは千葉県の東金市で地元も矢祭町みたいに田んぼや畑が多くみられる場所でした。

元々、ゲストハウスや農業をやってみたいと考えており、定住を検討している時に矢祭町で「ゲストハウスをつくろう!!」という募集が目に留まりました。移住については地域おこし協力隊の制度を使用したいと考えていたので、矢祭町に定住することを決めました。 この時は、ゲストハウスと農業を考えていましたが、移住後、タイミング悪くコロナ全盛期となってしまい、ゲストハウスは今でないと考え、農業で果樹の栽培をすることを考えるようになりました。

町の中で色々な方に話を伺っている時、農家の方より同年代の方でぶどう農家をされている方を紹介してもらいました。矢祭町には果樹農家の方がいないため、紹介いただいた時にはこれだと思いました。ぶどう農家の方のもとで1年程度ぶどうの栽培について学び、その後、遊休農地をお借りして「はるかぜぶどう農園」を起ち上げました。

昨年は、少し収穫ができたので6日間程ぶどうの対面販売も行いました。今後も町に還元できる形で販売していきたいと思っています。

一今やっていることについての課題はなんですか?

今はまだ全部のものをちょっとずつ増やしている段階で、ぶどうの木も拡大している段階になりますので、今後も作業量が増えていきます。他にも運用面ですと水やりがあるのですが、土壌の水はけがよいため3日に1度、川から水を引き上げ3~4時間程度の時間をかけて水やりを行っています。そのため、全体的に人手が足りない状態は課題だと考えています。

売り方については、今後もですが町内完結を考えています。基本的に対面での販売が自分自身好きで、お客さんに納得してもらったうえで買ってもらいたいと考えています。情報発信については現状Xやインスタグラムを使用しており、ホームページやEC2サイトは運用していません。後お客さんより要望があれば検討しようと思いますが、その分運用する手間が発生するのが課題と考えています。

一課題を乗り越えたらどんな可能性がありますか?/ITを使ってできそうなことはなんですか?

以前、ミカン農家の手伝いをしたときに聞いたのですが、ぶどうの育成についても江戸時代からやり方が変わっていないとのことで、発展のしようがないレベルの作業もあり、特に果樹は手作業が絶対的に多くなります。

品種によりますが100粒くらいを40粒前後に減らす作業があります。その際、スマートフォンのカメラでぶどうを写すことで粒の数を瞬時に確認ができると楽だと感じます。 またこういったものは、人に教えるときにも役立つと考えています。繁忙期だと人手が不足するため、お手伝いの方を雇った際に理屈を知らなくても作業手順と結果を教えれば作業ができるようになるため、とても楽だと考えています。

また、すごく技術の進歩を感じたのは、地面に線を埋め込むことでその線をたどるように草刈りをしてくれるロボットになります。こういった草刈りや水やり、土壌の温度を測定して連絡する等、簡略化できることは多く存在すると思っています。この様な1人でできる作業をIT技術により自動化することで、普段の生活が少し楽になり、作業も進めやすくなると考えています。

あとは、自分の畑に合ったものをいかに選ぶかが重要だと思います。

一今後の目標はなんですか?

まだまだ発展途上の途中 なので今後どうなるかわからないことをやり続けていますが、自分達の生活もありますが、最終的には町の一個のシーン、景色とかを担えるようなところを目標としてはいます。

9月になれば、佐瀬さんのぶどうが収穫時期だねと自然に話題として上がる、そんな町の日常の一部になるくらいにまでぶどうをやることが目標になります。そうなったら、初めて移住者ではなく町の一部になれるのかなと思っています。

町のぶどう農家といえば佐瀬さんと自慢してもらえるまでになりたいと思っています。

編集後記

とても行動力のある佐瀬さん。インタビュー時にお聞きした矢祭町へ移住してくる以前についても自身のやりたいことを見据えつつ、多方面で様々な活動をされておりインタビュー記事に書ききれないほど盛りだくさんの内容となりました。
以前より農業をされたいということから、移住先である矢祭町で住民の方にお話を聞いて回ったり、農業をする土地探しもご自身でされたりと移住者でゼロベースからの農業をされることがいかに大変かというお話を聞き、その行動力に驚きました。
今後もより一層、目標である「矢祭町の1つの景色」になっていただけるよう、頑張っていただきたいと思います。

-コーディネーター紹介-

ID 福島県矢祭町

もりもと たかまさ

森本 尚将

埼玉県飯能市出身。
大学卒業後、システムエンジニアとして教育関連や病院のインフラ設計・構築に従事。その後、2018年にAKKODiS(旧VSN)に入社。主にサーバエンジニアとして従事。
最近は、頻繁にサルに畑の作物を食べられるので、対策に奮闘中。