一どんな活動をされていますか?
「都農町デジタル・フレンドリー宣言」の表明を受け、都農町側窓口の一員としてポータルサイト作成やインフラ整備(光回線整備・タブレット選定)の協議等に参加しました。またサポート体制の構築・運用を主に担当し、都農町のデジタル推進を実行しています。
タブレットの使い方をレクチャーする ITヘルプデスクは、開設から利用者が 1,000 人を突破し、現在も月 100 人以上の方にご利用いただいています。ITヘルプデスクに来訪できない方に対しては、自宅訪問や出張相談会の開催も行っています。また、各地区の公民館で開催するタブレット講習会(d-サロン)では、講師役として年間100 回以上開催し、参加者の方に説明を行っています。
現在は、レイトマジョリティ、ラガード※1に該当する町民にタブレット利用を促進するためにはどうしたらいいか、行動経済学の理論を参考にしたアプローチや国内外の事例を参考に、コンテンツの充実に向け企画・検討を行っています。
※1新たな製品(商品・サービス)などの市場における普及率を示すマーケティング理論である、イノベーター理論で分類されるタイプのこと。レイトマジョリティ(後期追随者):新しいモノの採用に対して懐疑的であったり消極的であったりする層を示す。ラガード(遅滞者):最も保守的であり、新しいモノに対して全く興味・関心を持っていない層を示す。
一今やっていることについての課題はなんですか?
「デジタル・フレンドリー宣言」の“すべての町民がデジタルを日常生活で使いこなせる”を目指すにあたり、貸与しているタブレットが5年(令和7年度末)で返却予定のため、期限が迫っています。残された時間の中で町民一人ひとりが、いかに能動的に自分に合ったデジタル機器(スマートフォン・PC・タブレットなど)を手に取り、いかに継続して使ってもらうのかを課題として感じています。
高齢者の方については、「借り物だから」「壊してしまいそう」「怖くて使えない」などから、最初の一歩が踏み出せないという意見があります。どうしたら使ってもらえるか、習慣化してもらえるのか、コンテンツを充実させメリットを提示できるかが課題です。
一課題を乗り越えたらどんな可能性がありますか?/ITを使ってできそうなことはなんですか?
政府もデジタル活用を推し進めていますが、課題を乗り越えた先には町民が誰1人取り残されない、かつ人々の生活も便利になるのではないかと思っています。企画・検討段階も含め様々なコンテンツの拡張中になりますが、ポータルサイト「都農ページ」でまちの情報がよりわかりやすく整理されていたり、病院はじめ様々な施設の予約ができることや各種行政手続きができるなど町民生活の充実を目指しています。
小さいところでいうと、LINE を活用して、普段なかなか会えない子供や孫とテレビ通話ができたり、YouTube などで動画を見ることや、検索して情報収集できるようになることもデジタルで暮らしが便利になったり楽しくなることのひとつだと思います。
また IT を活用することで、タブレットで緊急連絡(SOS)ができたり、オンデマンドタクシーや無人バスの運行など人々の生活が便利になるといいですよね。それぞれ様々な課題があり、難しい点もありますが、チャレンジしていきたいなと思っています。
一今後の目標はなんですか?
ひとつはコンテンツを充実させることです。新しいコンテンツの開発や、ポータルサイト「都農ページ」のコンテンツ拡充などを進めていきたいです。あわせてまだタブレットを使用されていない方に向けた周知や、働きかけなどのサポートも行っていきたいです。
そしてタブレット返却期限までに、自分に合っているデジタル機器はなんなのかを選んでもらったうえで、必要性を感じて例えば光回線契約など自主的に行動してもらえるようにしていきたいです。
また、都農町のデジタル・フレンドリーの活動を高齢化社会に突入している日本の様々な地域で活用できるマニュアルのようなものを作りたいと思っています。似た様な課題を抱えている自治体は多いと思うので、自治体同士で協力して大きな課題を解決していければと考えています。
編集後記
あまり話したくないというこれまでの経歴もお話くださり、都農町や人に対する思いやりのあふれたあたたかい方だなと感じました。ご自身の様々な経験が今の活動にもつながっており、それを客観視できるすごい方だなと素直に尊敬しました。
明確に課題などを把握されている印象を受け、これからも施策の推進を先頭にたって行われ、成功に導いてくれると確信しました。
またお話しできる機会があれば、今回できなかったサッカーの話などをさせていただきたいと思いました。